ノンフィクション

AM10:40
携帯電話に表示される非通知設定の文字。
いつもであれば”非通知”や見覚えのない番号は受けないのだがコールも長いし、この日に限って妙に胸騒ぎがした。


「もしもし?」


「○○U助さんでしょうか?」(←本名)


「そうですが?」


「こちら○○カード、○○センターの○○と申しますが」(←詳細は忘れたケド俺の持っているカード会社から)


「はい。どうしました?」


「お客様、10月9日の午前10時ごろ、カードでのお買い物をされましたか?」


「え?いや、してないですよ。俺、仕事してたし。」


「実は言いますとお客様のカードで10月9日の午前10時ごろにカードでお買い物をされたことになっておりまして・・・。」


「なっ!なにっ!?」


「こちらの方でご利用があったかどうかの確認をしております。ではされてないのですね?」


「ええ。その時間は会社にいたので無理です。ちなみに金額はいくらだったんですか?」


「昨日で2回、利用されてまして、一回目は九万五千九百十七円で二回目が八万四千八百九十二円です。」


「合計でじゅっ、18万!?」


「偽造されたみたいですね。」


「偽造!?」


ずいぶん簡単に言ってくれるもんだ。
話を聞いていると10月9日の午前10時頃に某百貨店にて1日で2回、カードで買い物をされたらしい。
場所までは特定するのに時間がかかるらしいので一応、店名は聞いた。
しかしありえない。その時間は仕事場にいた。明細も手元にない。


一瞬、頭の中が真っ白になる。初めての経験だ。これが真っ白になるってやつか。
正直、「どーすればいいんだ。どーして?なんで俺?」としか頭に浮かばない。
懸命に頭を回転させるがダメだ。なにも浮かばない。


一通り連絡を受け、とりあえずカードを使えなくし、今のカードを抹消することにした。


しばし時間が流れ、冷静さを取り戻し、ふと気が付いた。


こう言った大切な連絡でなぜ非通知?


最悪の事態が頭をよぎる。


今の電話も騙しか?情報を聞き出し架空請求を送るつもりか?


もうこの時点で人を信用することを見失っている。


まずい。何とかしなければ。どーにかして裏を取れないか・・・・。真偽を確かめなければ・・・。


そう言えば俺はクルマ屋だ。このカードを作る時もクルマのローンで使う信販会社の付き合いで入ったようなものだから担当に電話してみればわかる。
日曜も祝日もヘッタクレない。
携帯に直接してみよう。


お客様のおかけになった電話番号は現在、電波の届かない場所におられるか電源が入っていないのでかかりません。


つ、つかえねー。
それじゃあ”お客様相談センター”みたいなのあるだろう。
そこにかけてみよう。












ほ、本当だった・・・・orz












センターの受付に「なにか情報がわかったら連絡ください。」と残した。
どこで俺のカードの情報を抜かれたのか?
どんなヤツが犯人なのか?
個人的に犯人を見つけ出し、砂利の上に全裸で正座させたい気分だ。
この話はまだ続くだろう。